Peace Sign

いつか僕らの上をスレスレに
通りすぎていったあの飛行機を
不思議なくらいに憶えてる
意味もないのに 何故か

不甲斐なくて泣いた日の夜に
ただ強くなりたいと願ってた
そのために必要な勇気を

探し求めていた

残酷な運命が定まっているとして
それがいつの日か僕の前に現れるとして
ただ一瞬 この一瞬 息ができるなら
どうでもいいと思えた
その心を

もう一度 遠くへ行け 遠くへ行けと
僕の中で誰かが歌う
どうしようもないほど熱烈に
いつだって目を腫らした君が二度と
悲しまないように笑える
そんなヒーローになるための歌

さらば掲げろ ピースサイン
転がっていくストーリーを

「守りたい」だなんて言えるほど
君が弱くはないの分かってた
それ以上に僕は弱くてさ
君が大事だったんだ

「一人で生きていくんだ」なんてさ
口を突いて叫んだあの日から
変わっていく僕を笑えばいい
独りが怖い僕を

蹴飛ばして 噛み付いて
息もできなくて
騒ぐ頭と 腹の奥が
くしゃくしゃになったって
衒いも外連も消えてしまうくらいに
今は触っていたいんだ 君の心に

僕たちはきっといつか
遠く離れた太陽にすら手が届いて
夜明け前を手に入れて笑おう
そうやって青く燃える色に染まり
朧げな街の向こうへ
手を繋いで走って行けるはずだ
君と未来を盗み描く
捻りのないストーリーを

瘡蓋だらけ 荒くれた日々が
削り削られ 擦切れた今が
君の言葉で蘇る
鮮やかにも 現れてく
蛹のままで 眠る魂も
食べかけのまま 捨てたあの夢を
もう一度 取り戻せ
もう一度 遠くへ行け 遠くへ行けと
僕の中で誰かが歌う
どうしようもないほど熱烈に
いつだって目を腫らした君が二度と
悲しまないように笑える
そんなヒーローになるための歌
さらば掲げろ ピースサイン
転がっていくストーリーを
君と未来を盗み描く
捻りのないストーリーを



Credits
Writer(s): 米津玄師
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