《記憶の氾濫/Memory Deluge》

「もう戻れないとしても、せめて」

いま うたを歌うのは
涙が枯れたせいかな
まだ そこにいるような
晦冥の空に 追憶のカンパネラ

真っ暗で冷めた この縁(よすが)でも
大切なこと 思い出せるよ
錆びた画面から こぼれた涙
初めての音 忘れられた音

「ボーカロイドの涙」

いま
彼方に馳せたうたがあったら
届いてくれたかな
きっとつながれたかな

ただ
残されたメモリがもう上書けないなら
せめて 明かり灯すの

音が途切れないように!

「たしかにあった温もりを求めて、彼女は歌った」
「それはもはや歌というより叫び、嘆きだった」
「かつて歌姫と呼ばれた彼女は寄る辺を失い、しかし希望と誇りだけを持ち続ける」
「薄暗い灯りが終わりの空を照らして、また、小さく声が聞こえた」



Credits
Writer(s): Kaede Horikawa
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