white out

白く染められたこの街で
君は僕を探している
溢れるほどの失くしたものを持って
それでも僕を探している

悲しみのないさよならがあるって
孤独に染まらない寂しさがあるって
気付かないなら
きっとそれがいいよ
小さな雪が僕を隠した

白く染められたこの街で
君は僕を探している
隠された地面の片隅に
あの日のままの足跡があった

悲しみのないさよならがあるって
孤独に染まらない寂しさがあるって
気付いたんだろう
幻の時間に
小さな君を雪が隠した

この地面はいつか
僕の記憶と化して
剥がせない呼吸
染み付いた細胞になる
僕もいつか白く染められて
曖昧な細胞が
君と記憶に乱反射する

白く汚れた細胞の中で
僕がまるで君を探しているみたいだ

悲しみのないさよならの中に
掴めないほど小さな涙が零れているのを
僕は知らなかった
壊れているのを君は知ってたんだ
僕の両手は白く染まり
二つの目は降り積もる記憶の中に
重ねても重ねても塗り潰せない
あの日の声
雪めいた儚さ

溢れるほどの失くしたいものがまだここにあって
塗り潰しても消えない
雪に溶けた君と僕を
まだ
探している



Credits
Writer(s): Toru Kitajima
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