キヲク

ただひとつだけのキヲク 胸の奥にある
色褪せた紙切れには笑顔が残った

「出逢わなければよかったね」と
冗談でもどうして言えただろう
君のその優しさに気付きもしないで
何を見てたのだろう

振り向けばいつもそこに
君が居てくれるような気がした
薄紅ノ雪が舞って
今日も変わらぬ風が吹く
まだ上手に笑えなくて

日が暮れるのも忘れて確かめあうように
あんなにも愛したこと誇りに思った
ためらいもなく好きだなんて
言えてしまう君に嫉妬していた
君を好きだと思う気持ちに
理由など何も要らなかった

二人なら永遠さえ叶うものだと
信じていたね
抱き締めたそのぬくもり
今もこの手に残ってる
思い出には出来なかった

伝えたいコトがあった
それはおかしい程 簡単で
失ってやっと気付く
それはかけがえのないもの

振り向けばいつもそこに
君が居てくれるような気がした
薄紅ノ雪が舞って
今日も変わらぬ風が吹く
キヲクの中 探していた



Credits
Writer(s): Kaori Mochida, Kazuhito Kikuchi
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