Tulip

弱り切った気管支で何度も 脈鼓つ街の声を吸い込んだ
子供の頃よく観てた映画に 重なるような未来のイメージも
裸になったら話したいな この僅か百年弱の生に
何を拾い捨てるかを めくるページの温かさを
眠れないなら目を瞑るだけでいい
夜見るほうの夢に攫われないように
際限ない青春の所為にしたいんだ 僕らの旅を
最終章までそう簡単に読み飛ばせないような
体温の上昇が握ったペンに伝わるさ
一度きり 一度きりの生命に思考の層
無理に縫った傷口が何度も 汚れた綿の嘘を吸い込んだ
優しくて素敵な言葉だけ 御守りにして不安のイメージを
消し去りきったら話したいな 脳の色が透けて判ったときに
深く広い感情の棚も喉まで積み上がった証拠
話さなくても手を繋ぐだけでいい
はるばる遠い夢の鼓動を掴むように
際限ない青春の所為にしたいんだ 僕らの旅を
最終章までそう簡単に読み飛ばせないような
快感の硝煙に狂った春も壊せるさ
一度きり 一度きりの生命に選んだ慈愛
幽静の星を背にして 黎明の橙に光る
騒音の砕片を厭がる繊細なチューリップの如く
幽静の星を背にして 黎明の橙に光る
騒音の砕片を厭がる繊細なチューリップの如く



Credits
Writer(s): Akitoshi Oka (pka Taiiku Okazaki)
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