週刊アンソロポロジー

その漫画家たちは向上心が無いんだ
シナリオは至って平凡を辿った
それどころかずっと浸透度は低迷
言い訳は揃って「才能が無かった」

愛されたいからと笑って 適当に筆を走らせて
繕った腑甲斐無い表情
そんなんじゃ伝えたいはずの 少しも届かないな
本当は自分でもわかってるくらいだ

七十億だとかの愛憎の 身勝手を敬う扇動者はきっと
そうどうこうしたって 誰一人といないさ
七十億程度の同情の きまぐれを窺う専用機はきっと
金輪際を含んで そう一つも出ないさ

くたばっている最中に最終回だ 僕たちの冒険は終わった

本当は描きたい ストーリーがあったんだ
けど現実はどうだ 全作品が落選

大事な1ページにふいに 涙色のペンを倒して
もう全部嫌になってしまった
どうしようもなくなった自分を くしゃりと丸め込んで
ドブ川へそっとポイと放ってしまった

七十億だとかの問題を 隅から隅まで解き明かす日はきっと
そうどうこうしたって いつまでも来ないさ
七十億程度の壮大な 夢というゴミを運ぶ重機はきっと
重量制限で ちっとも動かないさ

打ち切りだとわかって それでも書き殴って
思い描いた自分たちではない 結末を描いてく

七十億だとかの心臓の 綻びを繋ぎ止めるテープはきっと
そうどうこうしたって いずれ朽ちるもんさ
七十億程度の名状を 等しく語り出すミュージシャンはきっと
現実に刺されて 笑われる次第さ

くたばっている最中に最終回だ 僕たちの青春は
僕たちの日常は 僕たちの冒険は終わった

そう、終わったんだ



Credits
Writer(s): Heito Higashino
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