カンタンカタン

こんなに晴れ渡る
九月の眩しさ
ココロは空っぽ
沈んで行くような
重たいカラダを
手放してみる
カンタンだった夢の世界が
僕らに背を向ける時に
カタカタと揺れる汽車の窓から
瞳だけを空に放つ
青空の向こう

カラッポの時間を
軋むレールの声が
どこまで運ぶ
未来とかじゃなくて
ただ遠いだけの
場所に行きたい
淡々とリズム
感情が溶けて
止まっている身体だけを
カラカラと廻る車輪に乗せて
名前のない蒼い街へ
運ばれて行くよ

時を走る汽車の中
カタンカタン
カンタンに流されて雲だけが光る
空っぽのココロに何かカタンカタン
ひからびた午後に響く echo

重たく抱え込む
キボウという荷物を
今日は置いて来た
燦々と降り注ぐ
秋の一日が
ただここにある
透明な景色
風がふわふわ
重さの無い街を過ぎる
モノクロ映画を闇の中から
見つめるような
淡いだけの
眩しさを抜けて
眠たい汽車は進むよ
カタンカタン
簡単にどこまでも行ける気がしてる
カラッポの筈のココロが
カタンカタン
何かが一つ溢れて落ちた
時を走る汽車の中
カタンカタン
簡単に何処までも行けたらいいのに
雲が消えたら空はただ青くて
とても奇麗な
いちにちだったね



Credits
Writer(s): Yuki Kajiura
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