優シイ人

優しい人 だなんて言わないで そんな言葉で僕を片付けないでくれ
その意味にやっと気づいたんだ もうここに君はいないのに

夕暮れに咲いた街並みを背に 君から不意にこぼれ落ちた
薄く開いてなぞる言葉

「冗談だよ」って いつもみたいに笑って見せてよ
色褪せていく全て 昨日までが遠く感じた

優しい人 だなんて言わないで そんな言葉で僕を片付けないでくれ
その意味にやっと気づいたんだ もうここに君はいないのに

幸せならそれでいいなんて 君さえ笑えればいいなんて
ひび割れていくことが怖くて

どれだけ叫んでも届かない声が響くのなら
いっそ 大嫌い だと一言吐き捨てておくれよ

優しい嘘 ならばつかないで そんな言葉じゃ離れられないじゃないか
また時間に身を委ねている 弱い僕を許してくれよ

幾度となく季節を刻んだ
この街並みが残したものは 記憶を劈く湿った君の残像
ほんとに守りたかったものは 君じゃなく自分自身だった
描いた言葉に隠した本音さえ

あいたいよ
もしもあの頃に戻るのなら 薄っぺらいプライドなんて捨て去ってしまうのに
優しい人 だなんて言わないで そんな言葉で僕を片付けないでくれ
その意味にやっと気づいたから また僕は人を想う
まだそばにいる気がして もうここに君はいないのに



Credits
Writer(s): Daiki
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