Maboroshi

真夜中に目覚めちゃった なぜか泣いてしまった
優しい夢を見た
心まで溶けていくの その熱が残るような
あなたの夢だった

ねぇ 怒ってよ ねぇ 振り向いてよ
ねぇ 嘘を付かないで傷付けてよ
ここに並んで眠ってた
あれも これも そのどれもが

幻みたいになっていくんだね
恐ろしいぐらいに冷めていたね
「ねぇ もしもあの時泣いてたらどうしてた?」
そう言えば もう朝だ

鏡の前でボーッとしていて
昨日見た夢のことずっと思い出してる
あの日みたいに笑ってた
あの時みたいに話してた
でも最後には取り乱してしまった

じゃあどうしたら良かったの?って
なんでなんにも言わないの?って
わかってあげれなくてごめんね
でも最後ぐらいちゃんとしたかったよ
一人で眠っている 二人の痕が残っている

悲しみや疎ましささえ
美しく化けてしまったね
「でも もしもあの日に戻れたら」
ちゃんとわかってあげるから

ねぇ ベランダで揺れてた 白い花枯れてた
あの日のまま貼られたカレンダー
捲れないでいた
指輪に気付いてくれなかったね
そして 目を瞑るだけ

幻みたいになってたのに
なぜか前より優しいからね
「ねぇ もしもあの時泣いてたら」
そんなこと言えなくて

こうして二人でいるとさ
時間が戻っていくみたいだね
「ねぇ もしもあなたが嫌じゃなきゃもう一度」
そう言うと笑ってた ねぇ まさか また夢だ



Credits
Writer(s): Tomomi Shiiki
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