One Page Book in the City

高く伸びる大きなピル
眺めて薄く雲が消えかかる綿あめ
タイル並ぶ規則的わかれめ緑をゆらりすり抜ける雨だれ
名残深まる声のありか滲む模様は夢のあいだ
アスファルトから出会いがしら
風の吹く道枯れ木侘びた
流るる葉音耳たぶが拾って包む
あくびが気配へ溶けて消える頃
まばたきつぶやきうつしていたあかつきかがやき
ひとかげおぼろげこのてがしわ東雲黄昏の中思った
東の野に炎の立つ見えてかへり見すれば泪傾きぬ



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