追憶のふたり

気付いていた 優しい嘘
千切れるように遠ざかる
消えていく追憶のふたり

どんな風に生きていたの?
歩き疲れたその足で
かすかな灯をともしては
一人 泣いていたの

伝えたかったはずの言葉は
喉の奥するりするりと
通り過ぎては音を失くして
涙に代わっていく

あなたの事を想う度に
幸せであるよう願っていたよ
もしも叶うのなら 最後に一度だけでいい
抱きしめて欲しかった

どんな夜を 過ごしていたの?
夢から覚めた後でも
その続きを見るように
一人 震えていたの

手を繋いでは その輪郭を
なぞるように確かめ合ったね
結んだ糸を 解いてくように
涙が溢れてゆくだけ

あなたに恋い焦がれ あなたを愛した
確かな時間があったから
どんな運命だって 許せてきたでしょう
なのに こんなに胸が苦しいのは

私の中に まだあなたがいて
いつかまた会える日を待ってたから
たった一度でも 心通わせた日々を
二人を

あなたの事を想う度に
幸せであるよう願っていたよ
もう会えないとしても あなたと同じ時間を
明日を 生きてゆくよ



Credits
Writer(s): Uru
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