Torigumori

ふらり 街の渦を泳いでは
落ちる灯を逆さに映した
いずれ 誰も居なくなって
まるで烏有に帰す様に雲に混ざって

ゆらり 風を浴びて踊るだけ
南を背に憂惧を味わった
いずれ 孤独は育っていく
まるで浮遊に身を任す季節の様に

上から見えた 信号灯
何処へも行けずに生きていくの
それじゃ さよなら お別れね
これからどうしよう あたしは懲りもせず
名残惜しいまんま あなたを目で追っていた

だってって言ったって あなたはいつもそうよ 口だけなのね
青い好天が邪魔をする また今日を肯定する
待ってって言ったって 一度も振り向きもしないあなただった
酷くぬるい風でした それが 嗚呼 大好きでした

ひらり 舞い過ぎ行く葉の色を
あなたは横目に遠く飛び去った
いずれ 溢した想いなんて
まるで道に迷い喚く子供の様だ

ああ もう やだ やだな
くらくらと 漂った ただ酔った
間違った 街だった 預かった 朝なんか
一刻も早く 手離したいな でもどうせ
その度に思い出してしまうのは
自分勝手なあなたの寂しそうな横顔

去ってって行ったって あたしもいつもそうよ 口だけなのね
鈍い曇天が邪魔をする また空は回転する
降ってって行ったって 誰にも吐き出せもしない心だった
酷くぬるい雨でした その度 甘えていました

いつか 宙に舞う羽が 極彩色を味わって
歌うこと それすらを諦めてしまわぬ様に
今夜 後にする この街の角を攫って
逃げようよ 二度と戻りはしない

だってって言ったって あなたはいつもそうよ 口だけなのね
青い好天が邪魔をする また今日を肯定する
待ってって言ったって 一度も振り向きもしないあなただった
酷くぬるい風でした それが 嗚呼

勝手って苛立って ふたりはいつもそうよ 変われないのね
巡る暗転の行く末は 知らない 知らない 知りたくもない
待ってって言ったって 一度も振り向きもしないあなただった
酷くぬるい風でした それが 嗚呼 大好きでした



Credits
Writer(s): Keina Suda
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