Floating Shelter

部屋の壁に理想描いて
折れたクレヨンの匂い嗅いだ
漫画で作った秘密基地で
Ifの世界を夢見ていた

アラームセット忘れちゃって
朝も夜もふざけあって
文字と記号の掃溜めから
他者承認を望んだり

そしてのんびりしてて1年目
石から落ちて3年目
無感動の影がじわり
じわり

太陽も月も消えたこの部屋で
立ち止まって
真っ白な顔
引きつって
悔しくて変なダンスを踊る

ゴミとユーモア寄せ鍋にして
現実に立ち向かおうとした
あんまりなジョークもちゃんと食べて
ギリギリの笑みをたたえていた

鳴らない電話
知らない隣人
いかれた勧誘ジャージの天使
みんなの心を覗きたいな
でも私の心は覗かせないのだ

よくある話ね
不安を越えて6年目
後に引けずに10年目
突き刺さるは光陰矢の如し

憧れも星も消えた部屋のドアが
開かなくなって
馬鹿みたいって吹き出して
押入れのクレヨンをライターで燃やす

一筋の期待は
黄昏の闇に溶け
水増しの虚飾に染まる

息苦しくなって
顔を手で覆い寝そべると
時間はうざがってさらに加速

知ったことかよ
なすがままに50年目
行き着く果ては100年目
最初の気持ちを忘れた頃に
太陽も月も消えた部屋のドアが
急に開いて

その向こう再び逢った
昔理想を描いたあなたは
どんな顔してる?



Credits
Writer(s): Pinocchiop
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