咎の王

僕はずっと狙ってた
錆びた社会が蔓延るのを
未完成の箱に"その名"を刻む

飛べないカラスは嗤う
「くだらない事しやがって」と
サイネージが意味ありげに光る

ファンタジーを偽るファンタジーも
リアルを嫌うリアリストも
ゲームの様なゲーム
僕らは 僕らの 命を 命で 問う

偽りのファンタジーも
逆さまリアリストも
独裁者を待っていた
独裁者を待っていた

其の名を語ることも
許されないままで ままで
僕らはリアルを知る
許されないままで

錆びた大人達が
神話と混ざり 歪み 許されざる時代へ

設定者は考える
互いの足を掬うことばかり
溺れる者を救う者などいない

汚れた羊は祈る
罪に掬われないようにと
その時まさに賽は投げられた

雪が零れそうな暗い雨が降る
錆びついた社会はその美しさに気づかない
雨が汚れ堕ちた世界を流してく
大人たちの悲痛な歌が木霊する

偽りのファンタジーも
逆さまリアリストも
溺れる者を救う者などいなかった

其の名を語ることも
許されないままで ままで
僕らも大人になる
許されないままで

偽りの神さまも独裁者もきっと同じこと
そうか 僕もこうには彼らとなんら変わらない

其の名を語ることも
許されないままで ままで
この体もやがて錆びついてしまうのだろうか

僕を箱に刻まれたその名をただ必死に消していた
カラスが嗤う
「くだらないことしやがって」と



Credits
Writer(s): sasakure.uk
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