ショパンの嘘つき

ショパンの嘘つき

自分の両手が届けば
何でも手に入れられると
いつしか信じ込んでいた
白と黒の鍵盤には
世界の全てがあるって
ママからいつも聞かされた

外では遊ばなくたって
友達がいなくたって
寂しくなんかなかったし
ピアノを弾いてるだけで
何をしている時より
私はしあわせだった

でもある日窓の外の彼に恋をした
話しかけようとしたけど
声にならなかった

どんなに どんなにどんなに どんなに想っていても
言葉に 言葉に 言葉に 言葉にできなければ
私の方を振り向くことなんか絶対にないでしょう
指だけ 指だけ 指だけ 指だけ動き回っても
奏でるメロディー昂まる感情伝わらない
それでも一人弾き続ける
ふいに瞳に溢れるショパンの涙

ショパンの意地悪

想像することの方が
現実に起きることより
素敵だって思ってたし
ピアノの蓋を閉めたら
どこへ出かけてみたって
私はひとりぼっちだ

ただ彼と家の前の道を散歩して
私の知らない世界の話を聞きたかった

こんなに こんなに こんなに こんなに想ってるのに
スコアに スコアに スコアに スコアに書かれてない
心の中で叫んでいるだけじゃ聴こえはしないでしょう
レッスン レッスン レッスン レッスン夢中でしたって
鍵盤から指離れてみなけりゃわからないわ
灯りも点けずまだ弾いてる
だけど後悔ないのはショパンの仕業

信じていた世界は狭かったし
今のリアルは音もなく夢もない oh

ショパンが ショパンが ショパンが ショパンが初恋だった
一生 一生 一生 一生忘れられないわ
誰と出会っても 恋に落ちても
ずっと聴こえるメロディー

ショパンのせいだわ

どんなに どんなに どんなに どんなに想っていても
言葉に 言葉に 言葉に 言葉にできなければ
私の方を振り向くことなんか絶対にないでしょう
指だけ 指だけ 指だけ 指だけ動き回っても
奏でるメロディー昂まる感情伝わらない
それでも一人 弾き続ける
ふいに瞳に溢れるショパンの涙



Credits
Writer(s): Yasushi Akimoto, Katsuhiko Yamamoto
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