抱擁

握る手は 生まれたままに
あたたかく 拙い温度で
いかようにもとれるそぶりで
寄り添って戸惑う腕の中

嗚呼 ひねもす 波を見てる
好きになった あなたのこと

犬がなく 迫る重機の物音に
「落ち着くように」と
悲しみは 晴れに活路を見出して
鋼鉄のドアの外

嗚呼 草萠ゆ 街をかける
忘れないで こんな日のこと

影と日向 手を取り駆け抜けるよ
この地球の 裏の裏の裏の裏まで

嗚呼 選べぬ朝を迎え
気付きだした ひとつのこと
キスをあなたに



Credits
Writer(s): 折坂 悠太
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