閃光

僕は、僕は、僕は魅かれてしまった。
灰になるほど。

簡単な言葉、ふいに滴って、
全ての歯車が狂った。
単純な事象だ。
僕の過ちは、返上の効かないものだと知る。

君のかたちを愛せるのならば、
幸福ももう要らないな。

誰も、彼も、今はただ迷いの中。
遠くで鳴る閃光に、
僕は、僕は、僕は魅かれてしまった。
灰になるほど。

盲目になるほど、心臓を強く照らすのは。
ねぇ、君の瞳だけだと、わかっている?
簡単な自傷で、僕の過ちの全てを取り消せたらいいのに。

瑠璃色の眼で、僕を見ていて。
幸福はもう要らないから。

誰も、彼も、今はただ迷いの中。
遠くで鳴る閃光に、
僕は、僕は、僕は魅かれてしまった。
灰になるほど。

声が、声が、君にさえ届かなくて、
両の眼は濁っていく。
僕は、僕は、君をまだ夢見ている。
嗚呼。

誰も、彼も、今はただ迷いの中。
遠くで鳴る閃光に、
僕は、僕は、僕は魅かれてしまった。
灰になるほど。



Credits
Writer(s): Tatsuya Kitani
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