Junglegym

ここまでおいでって言ったのが 遠い昔の事みたいだ
灯りの付いた公園で ジャングルジムの中にいたよ
みんなの前じゃいつも通り おどけて見せた昼の後
一人残って掌の鉄の匂いを嗅いでいた

帰ろう 帰ろう 遠くで歌ってる
その日僕を見ていたのは 欠けた月の黒いところ

あれから大人になった今 色々忘れた顔をして
たくさんの知らない人たちと レールの上で揺られる
行きも帰りも大差ない 自画像みたいな顔をして
転ばないように掴まって あるいは座って運ばれる

ガタンゴトン ガタンゴトン 繋ぎ目を越えてゆく
隣の他人が最後に 泣いたのはいつどんな理由

例えば最新の涙が いきなり隣で流れたとしても
窓の外飛んでいく 電柱や看板と同じ
それでもどうしてだろう つられて泣いてしまいそうな
名前もわからないのに 話も聞いちゃいないのに

誰から見ても 取るに足らない
だからこそ 誰にも言えない
そんな涙なら きっとわかる
あぁそう これは ただの例えばの話

ガタンゴトン ガタンゴトン 静かに続いてる
ガタンゴトン ガタンゴトン 繋ぎ目を越えてゆく

ここまでおいでって言ったのが 遠い昔のことになって
あの日遊んだ友達の 名前も怪しくなってきて
どんな時でも笑えるし やるべき事もこなすけど
未だに心の本当は ジャングルジムの中にいる

帰ろう 帰ろう 遠くで歌ってる
ここから出たらいつも通り ありふれた一歩目を歩く
欠けた月の黒いところ 欠けた月の黒いところ



Credits
Writer(s): Motoo Fujiwara
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