Toshoshitsuno Kimie

「君を好きになって初めてわかった
好きになるっていうのは
その人のことをもっと知りたいと思う気持ちのことだ
だから、僕は君のことをもっと知りたいと思った」
図書室の本棚の向こう側
そう何か探してる君がいる
偶然のふりをして覗こうか
いやここから 隙間の君を見ていようか
「放課後になって まだ、校舎に残っている生徒は
誰かに話しかけたくて待っているのかもしれない」
窓際のカーテンが風に揺れ 膨らみ始めた
ヘミングウェイなんて読んだこともなかった
活字嫌いの僕なのに
なぜかここに座っている
いつだったか君が手にしていたのを見て
どんなことが書いてあるか気になって
ページめくり始めた
図書室の別々のテーブルで
僕たちはただじっと本を読む
チラチラと横顔を盗み見て
君が何を考えてるか知りたかった
「いつの間にか 陽は沈んでしまった
それでも本を読んでいる君のために
僕は図書室の灯りを点けてあげた」
過ぎて行く時間さえ気づかない夢中さっていい
ヘミングウェイ読んでほんの少しわかった
君と僕の性格は
そう全く違うってこと
教室ではきっと気づかなかっただろう
でもどうして君のことをこんなにも
好きになってしまったか?
「君をもっと知りたい」
ヘミングウェイなんて読んだこともなかった
活字嫌いの僕なのに
なぜかここに座っている
いつだったか君が手にしていたのを見て
どんなことが書いてあるか気になって
ページめくり始めた



Credits
Writer(s): Yasushi Akimoto, Katsuhiko Sugiyama
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