はにかんでしまった夏

ありふれた 夏の瀬に
おまじないみたいな恋をした
確信に 満たないことだらけ
(最初に 解けて欲しかった)
素直になれない 心地よさ
他人と他人の 馴れ合いを
それなりに楽しんだ
隙を見せるのは これからだった

短い筒の穴から覗く
視野の狭い愛情を送り合った
そんなことしてたら
触れ合える距離に 君はいなかった

全然なんともないのに
涙が出るなんて 困ったな
愛想笑いも様にならないくらいに
今日は 変だ
考えたっていないのに
君は絶対にいないのに おかしいな
はにかんでしまった 夏を
見逃さず睨んだ

身体を重ね合う度に
筒の長さが 増えていく
鋭さを兼ねた武器を
打った時の 愛情熱
完成した瞬間 冷めてった

僕の痛みは 寝違えただけ
酔いしれた 心が冷めるだけ
だけど離れない
泡になった 君が揺らめいてる

全然 何ともないはず
涙が出るなんてないはず
でも感情的なブランコに
振られ続けるの 何で
考えたっていないのに
君は絶対にいないのに おかしいな
はにかんでしまった 夏を
見逃さず睨んだ

寒くなっても 衣替えせず
まだ夏を引きずってやるから
覚えてろってさ
全く 誰に言ってんだか

結局 君のことが好きなんです
涙が出て 今日も困ってます
感傷的なスタイルは
似合わないはずなんだ
考えたっていないのに
君は絶対にいないのに おかしいな
はにかんでしまった夏を
見逃さず睨んだ
はにかんでしまった秋は
見逃してしまった



Credits
Writer(s): 川谷絵音
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