あさきゆめみし

元旦過ぎてから 指折る年の瀬も
余さず季節を君と紡いで
幾年過ぎただろう
心はずっとあの日でも
大人になったよ 君の分まで

長胴の太鼓叩いて 提灯は五日灯った
明年の門を潜って 百八つの鐘を聞いた
行く年の中 手を振っている

あさきゆめみし 君を想う
君を失くして 君を強請る
朝日昇るは明くる年
君を置き去りにして

こんな叶わないことを詠う
ボクを笑ってくれるかな
浅く眠れる枕元に
君を探しに行きたい

浴衣に粧しして 見知った神社まで
橙色の連なる年の瀬
幾年過ぎようと
見惚れてしまったあの日から
探してしまうだろう 夢の中まで

もういくつ寝て待とうと もういくつ寝て待とうと
君行きの未来なら 全部 あの日に乗り換えていた
行く年の中 手を振っている

あさきゆめみし 君笑う
時の止まった花氷
瞼の裏に映写して
何時何時何時迄も

こんな叶わないことを詠う
ボクを笑ってくれるかな
浅く眠れる枕元に
君を探しに行きたい

あさきゆめみし ゑひもせす
叶わぬ今日を知ろうとも
するりと抜ける指先に
頬を濡らすばかり

心ひとつが立ち止まり
未だ越せずにいるボクを
君が叱ってくれる日まで
君を探しに行きたい

浅く眠れる枕元に
君を探しに行きたい



Credits
Writer(s): Mafumafu
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