ハイドレンジア

ポツリ鳴り響いた
胸の奥に秘めた
願いが微かに疼いた夜

「傘が必要なら」
「どうぞお入りなさい」
優しさ 上辺の言葉は
いらない いらないよ
わかっていたはずでしょ
それなのに 何故

雨に打たれながら
うつむく花びら
色付くように色褪せた
散ってしまう運命でも

儚くて脆くて
それでも愛してた
綺麗なまま
枯れてゆく
雨に流れてよ 藍の花

ジワリ 染み渡った
温もりが気づけば
根のように絡まって離さない

「凍えているのなら」
「僕が温めましょう」
愛しさ 溢れた笑顔を
知らない 知れないの?
わかりたくもなかった
それなのに ああ

痛くて苦しくて
それすら愛してた
萎れたまま 流れてく
雨に溺れてよ 哀の花

真っ直ぐただあなたと
生きていたかった
もし生まれ変わったとしても
きっと
見つけ出すから

雨に打たれながら
うつむく花びら
色付くように色褪せた
散ってしまう運命でも

愛に焦がれながら
煌く花びら
色付くたび
終わりを知る
誰の目に映らずとも

儚くて脆くて
それでも愛してた
綺麗なまま 舞い上がれ
雨に抱かれてよ 愛の花



Credits
Writer(s): Shinsaku Noguchi
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