春は、魔法だ

壁の褪せたシミ
床についた傷
今日でさようなら
この狭い部屋とも
窓から漏れる風が僕の頬を掠めた
今年もこの季節は僕に魔法をかけようとしてるんだ

君に得意げに話した夢は
少し叶ったよ
なのに、君はいない
あの頃の思い出が僕を誘うように
今年もこの季節は僕に魔法をかけるんだ

春は、魔法だ
遥か、魔法だ
いつまでも解けることはなくって
君を呼ぶんだ
そこに笑って振り向く君がまだいる気がして
嘘を吐くんだ
下手に笑って
君が今幸せならいいや、と
そんな心にもないことを溢してしまうよ

何が欲しかったの?
何を望んだの?
今じゃあの頃の僕の声さえ
届かなくなったよ
聞こえなくなったよ
離れた分だけ近付いたもの
何が欲しかったか
何を望んだか
今更あの頃の君の気持ちに触れた気がしたよ
でも、もう遅いんだよな
僕はいつだってそうだ

春は、魔法だ
遥か、魔法だ
春は、魔法だ
それでもきっと、いつか

春の魔法が
遥か魔法が
いつか解ける日が訪れたなら
過ちさえもちゃんと笑って振り返ることができるだろうか
嘘を吐くんだ
下手に笑って
君が今幸せならいいや、と
そんな心にもないことが
本音に変わるまで

早く、解けないかな



Credits
Writer(s): Yukihiro Bando (pka Mol-74), Yuto Inoue (pka Mol-74), Ryoma Takahashi (pka Mol-74), Kazuki Takeichi
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