パンスペルミア

期限機構の戒律
道聴塗説ばかりの祭祀に
鑑賞の詩歌じゃ
少年は和救えなかった
故老過分の対立
その鐘を鳴らした首謀者は
天道に蓋をして
劇場に火を放っていた

人心はクラックされた
僕らに残された正義とは何だろう

戻れないよ戻せないよ
これが僕ら選んだ世界
譲れないよこの願いだけは
命をつなぐから
わからないよわからないよ
僕らどうして壊してまで
手にしたいの正しさを測る
スケールなどないのに

全部を薙ぎ払うほど木霊する
旗をかざした
僕らの掲げる
パンスペルミア

万有内在神論の偏在
形骸化した全欧のパラドックス
参加して思想の分け前を
天使はたやすく奪った

右往左往の終幕
くたびれてしまった祈祷師は
血迷った面をして
白兵を振り回していた

人倫の命日に
僕らが息をする意味とは何だろう

戻れないよ戻せないよ
これが僕ら選んだ世界
この手さえも汚れていくなら
その目で受け止めて
この時代をこの未来を
それがすすけた影であれ
仕方ないと顔をそむける
つもりなどないから

揺るがないよ揺るがないよ
これが僕ら選んだ世界
譲れないよこの願いだけは
命をつなぐから
かなわないと届かないと
僕ら声を殺してまで
命拾いの一芝居見せる
所以などないだろ

全部を薙ぎ払うほど木霊する
旗をかざした
五日の泣きじゃくったのけ者の僕らは
間違っちゃいなかった
翻すのはほかでもないこの手次第だ
僕らの掲げる
パンスペルミア
パンスペルミア



Credits
Writer(s): Heito Higashino
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