Utakata-Uta

夢中になってのめり込んだ ものがそういやあったよな
眠るのも飯を食うのも忘れ 明けても暮れても

ただ追いかけた 先なんか見えずとも
むしろ見えなくて 余計に追いかけていった

そんな道のど真ん中で 君は僕にぶつかった
それが君の運の尽き そして僕の運のすべてで

一度も眼を見て 言えたことないけど
僕の何分の一でも 君は幸せでいたのかい

走るにはどうやら命は長すぎて
悔やむにはどうやら命は短すぎて
諦めるにはどうやら命は長すぎて
分かるにはどうやら命は短すぎる

ねぇやりきれない夜だけ 君を思い出してもいいかい
君の手垢だらけのこの記憶だけど ねぇ僕のものでしょう?

うまく笑えているかな 鏡の前たしかめるけど
お前さんなんて情けない 顔してんだよ
笑うどころか 危うく涙しそうで うつむくんだ

夢も歌も賽の目も いつも僕には冷たくて
まるで暖をとるかの ようにから笑いを繰り返す

そんな日々だけど 君のその笑顔は
僕を温めた 身体の芯から優しく

何回か先の世でまた逢うかな
その時ぶきっちょな顔はよしてよ
僕はまた一から君に恋を
どう逆らってもしてしまうだろう
そしたら人生またぎで特大の
いつもの憎まれ口を聞かせて

走るにはどうやら命は長すぎて
悔やむにはどうやら命は短すぎて
諦めるにはどうやら命は長すぎて
悟るにはどうやら命は短すぎる

ねぇやりきれない夜だけ 君を思い出してもいいかい
君の手垢だらけのこの記憶だけど ねぇ僕のものでしょう?

うまく笑えているかな 鏡の前たしかめるけど
「お前さん 顔をあげなよ 無理してでもさ
似合わないだろう お前に涙なんかは」
どこからともなくあの 人懐っこい声が

聞こえるだろう



Credits
Writer(s): 野田 洋次郎
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