東京

早口できつく捲し立てられて
慌てて言い訳を考えてみるとき
どうにもならないことや それに近いことが
とめどなく溢れては消える

ねえ彼女は朝早くに起きて
それから制服に着替えて手を振っている
誰にも言えないことや 遠い故郷の古い歌を
なんだか忘れられずにいる

不思議な気分だな
遠くに空を眺めて 低い屋根の下で雨を凌ぐのは
不思議な気分だな
消えない街の灯りが こんなにもこんなにも 惨めにさせるのか aah

冬の風に揺れるコスモスも
商店街裏通りの映画館 ステフとジミーも
キョロキョロと辺りを見渡してまた
昔の笑い話に心を奪われている

京王線の片隅で 搔き鳴らした誰かのギターが
中央線の快速で 日々を紡いでいるんだ
恋に落ちて落とされて ときに手を汚しても
眠らない街で夢を見る

不思議な気分だな
遠くに空を眺めて 低い屋根の下で雨を凌ぐのは
不思議な気分だな
消えない街の灯りが こんなにも こんなにも惨めにさせるのか



Credits
Writer(s): Deu
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