Aoi Hana

僕が辿り着いた世界の果ては
名前を持たない人がいる
黄昏れを無邪気に映しながら
僕のギターは強くうなだれる

痛みは遅れてやってきて
猫が死んだってみんな気付かないよ
だしぬけにこぼれる涙の跡を
不思議そうに眺めるけど

「心配はいらない」と
他人の歌を繰り返した

生まれた場所も愛した人の顔も
忘れてしまいそうなんだよ
いまここに花を咲かせることが
この世界では一番素敵なことだよって
あの子の囁きが僕の耳元で
機械のように繰り返す
戻れない時間を閉じ込めたコーパルを
僕はひとつ割ってひとつ残したのさ

さよならは言わない
無限に延びた二人の影を
歪ませ鳴らしてみるだけさ

僕が辿り着いた世界の果ては
名前を持たない人がいる
足音を大袈裟に鳴らしながら
僕は生まれて初めて一人になる

冬の寒さに備えなくちゃな
いい加減な気持ちでは越せないんだろうな
鏡に映る知ったような眼差しは
この一突きで終わらせることができるかな

「遠くへ行きたい」と
君の声が響いて来る!

20世紀の喜び悲しみを
僕は何一つ知ることができないんだね
いまここに浮かぶいくつもの嘘が
本当になって それがやがて嘘になるかなんて
どんな風に生きようがきっと分からないよ
どんな風に死のうがきっと分からないよ
戻れない時間を閉じ込めたコーパルを

僕はひとつ割ってひとつ残したのさ
さよならは言わない
無限に延びた二人の影を
歪ませ鳴らしてみるだけさ

そういうものさ
そういうものさ
そういうものさ
そ う い う も の さ
鳴 ら し て み る だ け さ



Credits
Writer(s): Mom
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