Nokoriga

ずっと もう ずっと
忘れていられたらいいね
とっくに夜は抜けたから
明日がどんな残り香だとしても
夕暮れ前に消えるだろう

人と影がうねり出すころ
街は月の匂いを揺らして
何一つ変ぬ日々をまた
写しとってしまった いっそ
今を見失なうくらいなら
振り返る事に意味は無いと
過ぎ去ったものになんて
期待しないでよ ねぇ

このままで ずっと もう ずっと
忘れていられたらいいね
とっくに夜は抜けたから
明日がどんな残り香だとしても
夕暮れ前に消えるだろう

忘れかけていた歌にもならない
風景をふいに思い出して浸って
「あの頃に戻れたら」なんて思った
分かち合う事が出来ない痛みも
分かり合うことならできるように
その痛みで人を想うって
ことを知るんだよ

どれだけ折り目をつけて
綺麗に切り離しても
少しだけ残る欠片ばかりに
目がいってしまうこと
誰かが「足りない」と言った
隙間が広く見えたこと
続きがあると思って
めくったページが白紙だったこと
もう全部

ずっと もう ずっと
忘れていられたらいいね
ゆっくり夜が明けるまで
明日がどんな残り香だとしても
夕暮れになって消えるから

ずっと もう ずっと
忘れていられたらいいね
音楽でも口ずさんでさ
明日がどんな残り香だとしても
日々のひとつでしかないから
良いも悪いもすべて引き連れて
部屋の明かりをつけようぜ



Credits
Writer(s): Shun Ueno
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