Dolce

素知らぬふりのあのテーブルの
下でそっと絡めてきた指が
思ったより熱くて
彼女のことが少し分かった気がした
洒脱の店の窓辺の席の
薄明りの照らされた野薔薇は
一輪だけ艶やかに濡れてて
ゴクリと唾を飲んだ

また花びらの奥は
ベールに包まれたままで
ただ蜜蜂は回る
甘い香りの周りを

溢れそうな Milk & Honey
澄み切った衝動に
あらがえない螺旋の中
僕らが愛より先に知る味
本能の言いなりのまま
狂おしいほど求めてしまう

メインディッシュ平らげて
なお満たされない不埒な空腹も
夜の闇に紛れさせて
上手く隠せたようなつもりでいたけど
突然席を立ち一瞥を投げて
どこかへ消えてゆく背中を
反射的に追いかけてたことに
論理なんてないんだ

肌透き通る絹を
めくれば皆獣だ
性狂い咲く花に
場所など関係ないさ

溢れ出した Milk & Honey
溶け合って一つになれたような錯覚の中
誰かが愛と名付けた脳の作用に
疑う余地もないまま
滴る蜜を貪り合う

溢れそうな Milk & Honey
澄み切った衝動に
あらがえない螺旋の中
僕らが愛より先に知る味
本能の言いなりのまま
狂おしいほど求めてしまう



Credits
Writer(s): Motohiro Hata
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