KUNOICHI

「愛する姫が待っているので」と
電車を降りるキミの背中
本当は縋りつきたい
今夜は傍にいて と...

「あんなワガママな女よりも
従順で一途な私にしない?」
もう いっそ 阿呆のフリして
そう言えたらいいのに

ああ あ
燃え盛るこの恋心 抱き

ああ あ
くノ一のごとく 闇をゆく

忍び足 煙玉 影分身
この想い 誤魔化し隠し続けるわ
いつの日か キミのこと
ただの友達として愛せる日まで

ああ
ああ あ

会話 弾むたび 泣きそうになる
15cm向こうの唇は 星より遠く
炎よ この身を焼け
焼き尽くして さっさと消えて...

ああ あ

臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前...

「愛する姫が待っているので」と
立派な武士道 掲げてみたが
本当は君を抱きしめたい
家には帰りたくない

まるで幻術にかかっているみたい
寝ても覚めても 夜伽の時も
浮かぶのは君の顔
許されぬ悪い夢

ああ あ
燃え盛るこの恋心 抱き

ああ あ
落武者のごとく 闇をゆく

燕返し 一ノ太刀 龍尾剣
この邪心 根絶やし殺し尽くせれば
疚しさも 虚しさも
感じずに君と笑い合えるのかなあ?

ああ
ああ あ

張り裂けそうなほど 胸が苦しい
勘違いさせないで 潤んだようなその目で!
振り返ると車窓から
君がまだ手を振っている

「愛してる」とキミに手を振る
仮面の下は修羅
しゅしゅしゅ

「さらば 友よ」と送るスタンプ
画面の外は修羅
しゅしゅしゅ

ああ あ



Credits
Writer(s): Kazuumi Kumagai
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