ライラック

過ぎてゆくんだ今日も
この寿命の通りに
限りある数字が減るように
美しい数字が増えるように

思い出の宝庫
古いものは棚の奥に
埃を被っているのに
誇りが光って見えるように

されど
By my side
不安 喝采 連帯
濁ったりの安全地帯
グワングワンになる
朝方の倦怠感
三番ホーム 準急電車

青に似た
すっぱい春とライラック
君を待つよ ここでね
痛みだす人生単位の傷も
愛おしく思いたい

探す宛ても無いのに
忘れてしまう僕らは
何を経て 何を得て
大人になってゆくんだろう

一回だけのチャンスを
見送ってしまう事が無いように
いつでも踵を浮かしていたい
だけども難しいように

主人公の候補
くらいに自分を思っていたのに
名前も無い役のような
スピンオフも作れないよな

たかが
By my side
くだらない愛を歌う際
嘘つきにはなりたくない
ワサワサする胸
朝方の疎ましさ
ズラして乗る 急行電車

影が痛い
価値なんか無い
僕だけが独りのような
夜が嫌い
君が嫌い
優しくなれない僕です

光が痛い
希望なんか嫌い
僕だけ置いてけぼりのような
夜が嫌い
一人が怖い
我儘が拗れた美徳

不完全な思いも
如何せん大事にしたくて
不安だらけの日々でも
愛してみる

感じた事のない
クソみたいな敗北感も
どれもこれもが僕を
つき動かしてる

鼓動が揺らすこの大地とハイタッチ
全て懸けた あの夏も
色褪せはしない 忘れられないな
今日を生きる為に

探す宛ても無いのに
失くしてしまう僕らは
何のために 誰のために
傷を増やしてゆくんだろう

雨が降るその後に
緑が育つように
意味のない事は無いと
信じて 進もうか
答えがない事ばかり
だからこそ愛そうとも

あの頃の青を
覚えていようぜ
苦味が重なっても
光ってる

割に合わない疵も
認めてあげようぜ
僕は僕自身を
愛してる
愛せてる



Credits
Writer(s): Motoki Ohmori
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