Winter Gloves

鼻声だね どうした風邪でもひいた?
君は「大丈夫だから。」と 鼻をすすった
今年は大寒波が来ると 今朝ニュースで言ってたよ
君は「毎年だから。」と 鼻で笑った

木枯らし吹く道の端で 街路樹が震えてる
完全防御って口まで巻く マフラーを掴んでる手が震えてる

なんでもない一瞬も 思い出なら永遠になる
それはきっと日常が隠していた
「なんでもある。」と 君が笑う

引っ越し前の1DK 空っぽになった部屋
君は何にも言わずにただ 鼻をすすった

木枯らし吹く影が揺れる 窓ガラスが震えてる
キーケースの左端の 合鍵を外してる手が震えてる

なんでもない一瞬も 思い出なら永遠になる
それはきっと

日溜まりのようなあたたかさに包まれている
ささやかながら震える手に 日常という手袋を

なんでもない一瞬も 思い出なら永遠になる
それはきっと日常が隠していた
「なんでもない。」と 僕が言う
日常に隠れていた いたずらな君が笑う

君が笑う
君と笑う



Credits
Writer(s): Kohei Okazaki, 千野隆尋, 宇佐美友啓
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