嘘で歪む心臓

私は何も知らないふりしていてあげるわ
泣いて 壊れて 笑って

もう只死ぬのを待つだけの仔猫を見た
排泄器は塞がれたらしく誰も近づかない
本人はそれが当たり前のような顔してる
あなたは終わりがわかんない

雨は上がる気配もなく降り続いている
部屋の明かり消して床にはいつくばって
不幸な人のことを考えて自分慰めて
また一つ逃げ道増やしてる

まっさらな紙に落ちた 一滴の黒いそれは
滲み出し広がって何も見えなくした

キチガって暴れ始めた彼の心臓
妄想は膨らむばかりどうにもなりやしない
彼女は何も知らないで愛想を振りまいてる
私は あなたが わかんない

夜は終わる気配もなく飲み込み続ける
言葉を指でなぞって床をはいずり回って
その言葉に嘘 偽りはないが隠し事はあり
爪がくいこみ始める

嘘が下手な男と隠し事がうまい女
傷付くのがいやで自分追いつめて
滲み出す輪郭それに伴う痛み
柔らかな曲線は影を持つ

雨は上がる気配もなく飲み込み続ける
仔猫のことを考えて心臓かきむしられて
簡単に自殺を考えたことは一度もないが
何だか死にたい気持ちです

嘘ばかりの男と 騙され上手な女
傷つくのが怖くて 無垢を演じてた
流れ出す激情 それに伴う目覚め
柔らかな曲線は 影を持つ

仔猫も自分の運命を
理解することができたなら
知りたくなんかなかったと
思うでしょう



Credits
Writer(s): 逹瑯, Yukke
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