新しい人へ

君はハンドル
くねらせながら
長い坂道のぼる
汗と一緒に
涙ふく君を
僕が押してあげるね
何の花だろう
こんな坂の途中
冬を選んで
咲く花もある

止まれば倒れる
この自転車が
君が選んだ
生き方なんだね

ペダルをこいで
ペダルをこいで
君ならできる
倒れず行ける
君はペダルをこいで
坂の上まで
のぼりついたら
まっすぐに空を見た

飛んでみたくなる
夕暮の空
僕らはここで
僕と君になる
心が強く
なろうとする時
言葉は何にも
役に立たない

悲しみばかり
染みこんだ町
君は静かに
見下ろしている

ペダルをこいで
ペダルをこいで
ふり返らずに
走り続けて
君はペダルをこいで
地面をかすめて
飛ぶ鳥のように
まっすぐ坂道
君は降りて行く

幸福ってやつは
きっと傍にある
自転車こいで行ける所に

ペダルをこいで
ペダルをこいで
君なら行ける
一人で行ける
ペダルをこいで
ペダルをこいで
遠くなるほど
君らしくなる
だからペダルをこいで



Credits
Writer(s): Kazuomi Chiba, Tetsuya Takeda
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