Dhobi Ghat

ここがいつからchanceとhopeが与えられる国に変わったのかは
わからないけれど
少なくとも僕には関係ない 何百年何千年と
階級の呪縛は解けないまま僕らは今日も ひたすらシャツを洗う
君は誰かと比べられているのかい? 存在を無視されるより
ましなことなのさ
対象からさえも外されて生きるってことは流れてくるものを
全部受け止めて行くってことさ それがどんなものでも抗えない

洗え 洗え 洗うんだ
この洗濯の山が消えることはない
生まれてから死ぬまで
この手が この指が乾くことはない
太陽が昇り沈み またブリキの屋根いっぱいに干すだけの
Dhobi Ghat

僕がどうして今日だけ仕事もしないで 何も食べないで
涙にくれているのか
密かに心寄せてたあの娘が街へと売られたよ
じゅうたん工場で働くなんて嘘っぱちだ あの娘は戻れない

ここはchanceやhopeに見限られた街
それでも歯を食いしばれ 爪に灯をともせ
死ぬ思いで貯めたその金を握って あの娘のいる街へ
日に何十人 客を取らされ空を見つめるあの娘のいる店へ

そして 逃げろ 逃げるんだ
僕の手を離すな 離したら最後だ
生まれてから死ぬまで
二度とは味わえない高揚感だ
追っ手の声が聞こえて 路地裏のわずかな隙間に滑り込む
Dhobi Ghat

嗤え 嗤え 嗤うんだ
これ以上 下に落ちることは出来ない
だからここで洗うんだ
この洗濯の山が命をつなぐ
かわいいあの娘とともに このブリキの屋根に上って月を見る
Dhobi Ghat



Credits
Writer(s): Eiko Shimamiya
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