飛べない翼

校庭が歪んで見えた
白い体操着が見えた
カラスが低く空飛んだ
黒い羽を少しだけ分けてください
空に伸びた階段
そこまで手が届かない

夕暮れの空はあかく
みんなの視線 冷たく
そして大きな石が
空から落ちてきて
わたしを押しつぶす

わたしの心には見えた
取り残されていくものが
あなたの言いわけや嘘は
何の役にも立たないがらくたのよう
空に伸びた階段
そこまで手が届かない

夕暮れの空はあかく
みんなの視線 冷たく
そして大きな雲が
空から降りてきて
わたしを隠していく

機嫌直して生きよう
空のきれまからこぼれる
光がまた動いてくるよ

夕暮れの空はあかく
もうすぐに暮れてしまう
だから飛べない翼を
捨てたら 捨てたなら
わたしは舞い上がろう

だから飛べない翼を
捨てたら 捨てたなら
わたしは舞い上がろう



Credits
Writer(s): 小林 武史, 岩井 俊二
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