station

今年の冬は少し暖かくなると
流れる掲示板の液晶が知らせる 混み合うエクスプレス
隣りの席の人は疲れきった顔で寝てる
その向こうには旅慣れた様子の紳士
誰もがそれぞれのふるさとへ向かうよ
どんな着飾った人も お土産の紙袋をその手に

トンネル抜けて 鉄橋渡って 僕らを乗せて列車は走るよ
大きな悩みも 小さな迷いも 束の間忘れさせてくれる
ふるさとへ向かって

大丈夫だと言うのに 駅まで迎えに行くよと
受話器越しの親の声 また少し歳をとった気がした
制服に着られてた僕ら いつの間に大人になってたんだろう
親友には子供も出来た
誰にもそれぞれのふるさとがあるように
こんな僕にもいつか 愛すべき誰かが待ってるかな

いくつもの街 車窓に映し 僕らを乗せて列車は走るよ
大きな夢も 小さな壁も 越えられなかった僕さえも
優しく運ぶよ

年が明けたら 何か変わるかな? 見覚えある景色に占えば
歳とった親も 落ち着いた友も
その答えは知らないと微笑うだろう
トンネル抜けて 鉄橋渡って 僕らを乗せて列車は走るよ
迷うことなく 速度も変えず それぞれが帰るべき駅へ
優しく運ぶよ



Credits
Writer(s): Mikio Agou
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