誰もいない台所

名前を呼ばれた氣がしてさ
不意に振り向いた一人の部屋
誰もいない台所を見て
急に苦しくなる

笑い顏よりも泣き顏が
何度も思い出されるのはそう
多分君を泣かせたことの方が
多かったからだろう

幸せになれ って最後に殘した
男らしくも 思いやりでもない言葉

手を振って遠ざかってく窗越しの君の口が
模った またね またね またね
記憶で響いて離れない
淋しくて泣いているよ
あの時のままの君が
ただ會いたい 君に會いたい 會いたい
あの日に戾りたい

かけ足で過ぎ去る季節を
仕方なく追いかけてくように
別々に伸びていくその道を
僕ら步いている

幸せになろ って何度も言ってた
愛し合い方 確かめ合ってた合言葉

追い掛けていた夢など
諦めていい氣がした
君とならば それでいいなって思えた
幸せがそこにあったから

嬉しくて笑っていた
あの時のままの二人に
今會いたい 君に會いたい 會いたい
あの日に戾りたい

思い出を消し去ることなど出來る筈ないのに
遠くなるよ その手 君との幸せ
追いかけるほど見えなくなる

嬉しくて笑っていた あの時のままの二人に
今會いたい 君に會いたい 會いたい
あの日に戾れない

あの日に戾りたい



Credits
Writer(s): Yu Takahashi
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