Rakuen

私 明日旅立つの、知らないとこへ。いいでしょ?」
あの子はそう言って いなくなった
楽園へ行ったと 聞いたよ

僕らは今日も日々と支え合って 息をして抱き合ってキスをして
見とれない程度には 化粧をしたあなたを守ると決めたんだ

止んでよ
だらしない怒号なんか
錆の付け合いだって
なんでさ
夜を待ってなかったのに
あなたまで逃げ出すなんて
聞いてないのにな

立ち止まった幻が妙な顔してたんだ
訝しげな表情を捉えたら消えたよ
「だから君はいつまでも静止画みたいさ」
P.Sこっちは楽園よ、知ってるかしら

止んでよ
だらしない怒号なんか
錆の付け合いだって
なんでさ
夜を待ってなかったのに
あなたまで逃げ出すなんて
聞いてないのにな

26時30分、機は熟した。
「静まれ!」大きな声がこだまする。
水面にゆらゆら浮かぶ珊瑚礁が不気味に光っている。
とてもとても気分がすぐれない。
「あらあら、まだそんなところにいたんですか。
早く進んでもらわないと困りますよ。」
言われなくたってわかってるよ。
でもこれで本当に良いのかな。
「もう十分だよ。あなたに言われたことも全部覚えてるから。
君の写真を拡大コピーしてあの水面に貼り付けることにしたよ。
ねぇ、いいでしょ?最後に長い長いキスをしよう。
簡単な約束だけしてさ。
物語に付き合ってくれてどうもありがとう。
これが最終回です。



Credits
Writer(s): Kenta Kawatani
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