東京

君と別れて僕は石ころになって 蹴っ飛ばされて転がって疲れた
出会えた喜びはいつも一瞬なのに どうして別れの悲しみは永遠なの
僕と別れて君は仕事を辞めて 新幹線に乗って郡山へ帰った
車窓から眺めた空は何色だっただろう 君の心の色は何色だったろう

ぽつりぽつりと環七沿いを 濡れてはなるかと下唇噛んで

ふたりの夢は空に消えてゆく
ふたりの夢は東京の空に消えてゆく
君はいつも僕の記憶の中で笑っているよ

人生とは旅だという だけど 過去は跡形もなく消えていく だけど
ふたり手をつないで歩いた道のりこそが 僕にとってはそれこそが旅だったよ
蝉が鳴いていた夏の日の午後も 雨に濡れて走ったコンビニの帰り道も
ふたりを通り過ぎたなんでもない景色が 僕にとってはそれこそが映画のようだよ

寄せてはかえす憂鬱の波が小田急線を揺らし続ける

ふたりの思い出が空に吸い込まれて
ふたりの思い出が東京の空に吸い込まれて
君はいつも僕の記憶の中で笑っているよ

僕とふたり 世界にひとつだけ 君とふたりだけ

人を愛するということはきっと 君が君以上に僕を愛してくれたこと
僕は僕以上に君を愛せていたのかな 僕はそんな君以上に君を愛せていたのかな
僕が歌うことは全部君が僕に教えてくれたものさ
ふたりを通り過ぎたなんでもない毎日が 僕にとってはそれこそが歌になるのさ

ふたりの夢は空に消えてゆく
ふたりの夢は東京の空に消えてゆく
君はいつも僕の記憶の中で笑っているよ
君はいつも僕の記憶の中で笑っているよ



Credits
Writer(s): 峯田 和伸
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