争いの系譜

かつて世界には神より遺わされし
蒼氷の石が在った
古の聖者がその秘石を用い
焔の悪魔を封じた伝説は
伝承の詩となったが
今や... その秘石(いし)の行方は...
杳として知れぬまま...

「西進すること幾星霜...
果てしなき流浪の旅路...
今は聖戦のイベリア...
争いの歴史をしっかりと見ておきなさい」
「サランダ」
「かしこまりました... 」
「トゥリン」
「仰せのままに... 」
「エーニャ」
「はい... サァディ先生」

神よ!
再征服⇒ 再征服⇒ 再征服せよ!
お別れだ...
再征服⇒ 再征服⇒ 再征服せよ!
嗚呼... 神よ!
再征服⇒ 再征服⇒ 再征服せよ!
此処でお別れだ...
再征服⇒ 再征服⇒ 再征服せよ!
嗚呼... 我らが神よ!

再征服⇒ 再征服
領土再征服せよ!

【書ハ物語ル】

神は土塊から 初めに男を創り
その助骨(あばらぼね)から 女を創った

兄は土を耕し 弟は羊を飼った
争いの歴史は 此処から始まった

以来... 何故... 人は
断ち切れないのだろう?
争いを繰り返す 負の連鎖を

弱い私は 誰を恨めば(にくめば)良い
嗚呼... 誰か教えて...

『歴史は駈け廻る―』
離散の老預言者と流浪の三姉妹
父と母を両皿に乗せ
傾かざる少女の天秤

幸せな時ほど
誰もが 気付かない
密やかに 歯車
廻すのが<六番目の女神>(うんめい)

不幸せな時には
もう気付いても 手遅れ
世界を 蝕む奈落へ
堕とすのも<六番目の女神>(うんめい)

少女が 裸足で駆け出した
石畳を蒼く 照らす月灯り

家にはもう 居たくない
足などもう 痛くない
此処ではない 何処かへと
行方のない 彼方へと

『歴史は駈け廻る― 』
怒りと憎しみの 時代(とき)を
彼女は疾り 月夜に散った

昏き冷雨の牢獄
朽の眠りに囚われし男
奪われし焔を取り戻し
緋き瞳を静かに開いた

男は少女に問うた 少女は
<美しき夜>の名で応えた

少女も男に問うた 答えは
馴染みの無い異国の響き

少女は男を<悪魔>と呼ぶことにした
男は奇妙に嗤った
少女は生死を別つ淵に立ちながらも
凛として怯えなかった...

『歴史は駈け廻る― 』
痛みと哀しみの 時代(とき)を
私は選び 其の手を取った

残酷ナ『永遠』ト
謂ウ 苦イ毒ヲ、
喰ラウ 覚悟ガ 在ルナラバ
共ニ 生キヨウ



Credits
Lyrics powered by www.musixmatch.com

Link