運命の双子 - Διδυμοι -

【そして 女神が舞い降りたる地は】
【後の世に楽園と謳われる】
【詩情溢れるアルカディアの山々】

【暮れ泥む秋の日の憧憬】
【其れは 未だ世界の悪意を識らぬ幼子の戯れ】

【そして 季節は廻り】
【運命の歯車は再び 静かに廻り始める】

二度と 還らざる
淡き 少年の日々 (空を)
翔る鳥は 何処までも
飛べると 信じてた
やがて 振り返る
淡き 少女の日々 (水に)
映る月を 何時の日か
取れると 信じてた

生まれた時から (二人は何時も)
絶えず 一緒だった
優しい父と 美しい母と
そんな日々が 何時までも (続いてゆくと)
信じてた

運命(ミラ)に 抗う者と
運命(彼女)を 受け入れる者
嗚呼 運命(神)を 殺める者と
運命(さだめ)に 捧げられる者
野山を 駈け廻った
流れる雲 追いかけて
夕暮れに 漂う匂いに
二人は 家路を競った
戻れない ディデュモイ

【狡猾な蠍の影】

「探したぞ、ポリュデウケス」
「スコルピオス殿下!?」
「アルカディアの双璧と謳われた勇者が
こんな山奥で隠遁生活とは。
貴様、何故 剣を捨てた?」
「野心家の貴方にお話したところで、
ご理解 頂けないでしょうな。」
「ただいまお父さん!」「ただいまお母さん!ぁ。」
「ほほぅ。捕らえろ!!」
「敵だ!子供達を連れて逃げなさい!」
「エレフ、ミーシャ!こっちよ!」
「ラコニア軍は既に掌握した。
ポリュデウケス、私の元で働け!」
「断る、と申し上げたら?」
「ならば冥府の王にでも 仕えるのだな!」

【廻り始めた歯車は 誰にも止められない】



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