Hantaishasen

水道水飲んだら
蜃気楼が揺らめきだした
心臓が止まるほど
激しいあつさの午後だ

風を切る紺色の
スカートがひらり
向こう側で得意げそうにして
ああなんだ
いつも来てるあの子じゃん

ふと眼がその瞬間
放り出された
未知との遭遇

放たれた僕は揺らめいて飛んでった
虹の向こう側へ
水晶玉にかすかに写っている
ああ反対車線の君が笑ったんだ
それからどうなったんだっけ
気がついたらホームで
横たわってたんだ

改札抜けてぼんやり
思い出してみる
セーラー服泳がせる
彼女は向こう

あどけなく笑う
その瞳が
また僕を遥か彼方まで

離れた世界で君を捕まえたいな
訳なんて要らない
感情的にもなれない状況さ
ああ反対車線の君が繋いだんだ
僕らの世界へと
まだ覚めないから
ちょっとまってよ

離れてく僕は君の手を捕まえて
いけたらいいのにな
最終地点も分からぬまんまで
ああ反対車線の君に出会ったんだ
あのときからずっと
どこか別の世界で
待ってるから

ああ反対車線の君が遠退いて
見えなくなっていくんだよ
気がつけばホームで
横たわってるんだ



Credits
Writer(s): Task
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