遠影

優しいあなたと 過ごした思いを
抱えた鞄と一緒に 胸にしめつけた

追いかけて追いついた 夕暮れ影法師
響いた笑い声をわざと追い抜いて

寝転んで背くらべ かすんだ二番星
おとぎ話を好きに ふたりで紡いで

ひとりで歩いて 初めてわかった
どんなに 背伸びをしてても 包まれてた日々

眠れない枕元 かすれた子守唄
どことなく悲しげに聴こえた気がして

なじんだ温かい手は 握りしめたままじゃなく
いつかはそっとほどいて いくしかなかった

ひとりで歩いて 今頃わかった
あの時 そむけた背中も 守られてたんだね

汚れた服には しみついたメロディ
あなたに教わった歌は あまりに無邪気で

離れるほど焼きつき 時が過ぎるほど色づく
他愛のない日々ほど 消えないのは何故?

「さよなら」言わずに旅立ちごめんよ
今でも 遠くからきっと 見守られたまま

「ありがとう」上手に言えなかったけれど
あなたを 見上げて笑った 日々を抱きながら

こうしてひとりで歩き続けているよ
見知らぬ道だから迷うこともあるけど
優しいあなたの思いがにじんだこの胸を張って
明日に向かうよ



Credits
Writer(s): Naohisa Taniguchi, Tetsuro Aso
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