僕の手に触れるな

自分を否定したとして それすら自分の声だ
異論さえ問えやしなくて 僕は僕が嫌いんなった
赦しを乞うにしたって 独りじゃ叶いっこないさ
不甲斐ない救いにさえも この手で蓋をしていた

塞ぎ込んだ命をどうか 誰か拾ってくれやしないか
錆び付いた口は開かない

Don't touch my hand
見え透いた 本性と絶交して
敗北を歌う 人生のはずだった
Don't touch my hand
そうやって手を取って 優しくしないでよ
偽った自分が 散り散りになってしまうから

無用になってしまった 僕の未来ってやつは
向かい駅ホームでとうとう 窓と窓越しに消えた
終わっちゃいないって言うが 始まってすらいないさ
うざったいくらいの愛を ゴミ箱へ今日も投下

笑えない現実が増えて 笑われることになれてきた
懲役何年の罰なんだ

Don't touch my hand
せいぜい欠落感を患って 敗北を喰らう病人のはずだった
Don't touch my hand
そうやって手を取って 優しくしないでよ
頬の上を伝った 酷い傷を見してしまうから

Don't touch my hand
幸か不幸か思考は生きていて
何回だって 脈打つ声の先へ
Don't touch my hand
こうやって地を這って 名前を呼ぶ方へ
全身を抉った

Don't touch my hand
見え透いた本性と絶交して 敗北を歌う人生のはずだった
Don't touch my hand
そうやって手を取って 優しくしないでよ
感情を知って 弱い僕になってしまうから

Don't touch my hand
酸欠の心臓を一瞬で吹き返すくらいの 体温と擦れ違った



Credits
Writer(s): Heito Higashino
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