美しい棘

十字架の見える窓で 風が遊ぶ度プリーツを揺らすよ
誰も邪魔をしないで わたし今が全てだから

儚く綺麗な時 大人には解んないでしょう

棘に刺さりながら 少女は今
深い傷を増やして喜びを知っていく
今までとなりに居たあなたから
手を離せば最後 もう知らぬ人

教室を抜け出して見上げた空は どんな青よりも鮮やかで
何にも知らずに笑える二人 春の夢のようね

あなたと一緒だから わたしも生きてゆける

季節を駆け抜けゆく 少女はただ
香る草の匂いも忘れたくはなかった
いつかはこんな事を思い出す時が来るのかなって語りあっている

若さがいつか消える事解ってる
言われなくとも私たち馬鹿じゃない
だけど血を流しても噛み締められないのは
ああ憎いもんだわ 本当知りたいだけなのに

痛みを隠しながら 少女は今
傷を治せる愛を少しずつ知っていく
じゃあまた明日ねって言えること
それだけでほら全部 暖かいこと

棘に刺さりながら 少女は今
深い傷を増やして喜びを知っていく
今までとなりに居たあなたから手を離せば最後
そう魔法の様で

ふと気付けば最後 もう知らぬ人



Credits
Writer(s): Remi Matsuo
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