透明

わたしの耳元で囁いた
濡れた唇妖しく光った

彼女の嘘もここでは真実
いつまでもふたりだけの秘密にしよう

【哀しみなんて幻よ
2秒のキスで消してしまえるから

他に何も要らない】

移ろう空に置いていかれても
嫋やかに惑う小さな世界

ふと、わたしの首に手を這わせた
彼女と鏡越しに目が合った

大きな吐息が髪に触れて甘くて熱い

今痺れるほどの静寂に体を擲つ
心臓の音がひとつに重なってた
清くやさしい破滅

【君がくれるなら何でも欲しい
終わりも始まりもどうでもいい】

見透かされてるって分かってながら
強がってみせることを許してね

どうでもよくないことばかりでしょう
本当は たいせつで 選べない
だからぜんぶいらない

【君に出会ったあの時から世界は艶やかに微笑みはじめた】

わたしのすべてだった

それでも埋まらないんだよ
いつまで生きてればいい

吐いた息が体に戻って
循環してるフリで濁っていったのを

彼女が止めてくれる

俯く君の指がくい込む
お別れも言えないでごめんね

白の闇へ
煌びやかに
色が飛ぶ様に



Credits
Writer(s): Miku Nakamura
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