37.6

あれは麻疹で早退けした午後
母の背中で少し眠った

ゆるい坂道 降りきった頃に
どこか泣きたい気持ちになった

ぼんやり開けた目に
いっぱいのベニトンボ
大事なひと時 悼むように
紅く紅く燃えて
夕焼けへと
溶けていったね

37度6分を持て余した部屋
小さな残像 息をしている

ひとりの生活も
苦になんてならないと
それでも記憶の片隅には
紅く紅く染まる
一枚の絵
変わることなく



Credits
Writer(s): Hussy_r, 間宮 工
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