Scapegoat

例えば世界がガラスの球体で
靴底の裏に透けているとして
愛も涙も手に取るように
見えていたならばどうだろう

真っ先に視線を逸らした君に
僕は一つ安心を覚えて
できるだけ轟音の中で
沈黙に浸っていたくなった

例えば人類の存在証明書が
百億人分 揃っているとして
僕の一枚に載った言葉を
知れるとしたならばどうだろう

そこには無意味な文字の羅列
あるいはただの空白があって
できるだけ目立たないように
そっと破ってみたくなるよ

スケープゴート
僕らはきっと代わりでしかない
スケープゴート
探していた熱源さえ

白黒 モノクロームの感動で
回っているんだって世界は
疑う間もなく終点のベルが鳴った
ここはどこだろう

例えば宇宙や未来の結末が
百億年前 決まっていたとして
最後の最後の一瞬がまさに
今日だとしたならどうだろう

人は(君は)呪っているだろうか
誰もいないような明日を
僕は(何を)歌っているだろうか
恐らく訪れない明日へ

スケープゴート
僕らはきっと代わりでしかない
スケープゴート
探していた熱源さえ

消えない 消せない 音が溶けるように
思い出 遠のいて 焼き増したアイロニー

スケープゴート
僕らはきっと代わりでしかない
スケープゴート
探していた熱源さえ 見失うだけ

白黒 モノクロームの感動で
回っているんだって世界は
疑う間もなく終点のベルが鳴った

バラバラ散らばったまま
ただ問いかけたまた回る世界に
朝陽と君と僕だけ始発を待った
あれはいつだろう
スケープゴート



Credits
Writer(s): Shutaro Tamamoto
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