Saigo no Senka

壁の彼方 駆けだす影 皆を連れて 南目指す
兵馬の群れ 平和の為 礎となる 意志を抱いて

ーだが

今は独り 今際の≪同胞≫(とも)
切り捨てても 北を目指す
上手くいかず 馬も無くし 原始的に 原野を奔る

壊れた装置は投げ棄てた 鍛えた己の足で往く
世界が何れほど無慈悲でも
私は最期まで屈しない

文明の恩恵とは何か?
剣の代わりに取った️(ペン)を
戦う意思で走らせ

武器を構え 不気味な森 翳りの中 壁を目指す
震える手で 古い(手帳)
記したのは 知り得た事実

恐怖はいつでも牙を剥く
弱音を吐くのを待っている
自由を求めて踏み出した 私は最期まで屈しない

木立の陰に 不意に現れた
巨人は何と⁉︎ 口を開きー

「...ユ... ミル... の... たみ...」
「...ユミル... さま...」「よくぞ...」
ーと 意味の有り気な 言葉紡ぐ...

その姿には... 知性の... 煌く... 素養あり...
意思の... 疎通が... 可能とみた...
私は... 言葉を... 振り絞り... 投げー

かけた問いに 言葉はなく
ただ... うめき声だけが 森の静寂に響く

人類史上初めて 巨人と意思を通わせた...
そう思ったのは幻想 現実はいつも限界で

上回る(オーバー)... 許容量(キャパシティ)...
キレた... 私は... 矢継ぎ早... 悪意を... 射ちだす...
「この世から消え失せろ‼︎」

代わる代わる 変わる事態
怒号の果て 何処を目指す
追われる影 終わりのない
問いに惑う 遠い空の下

潰えた希望に背を向けて 背負った(翼)を翻し
儚い明日へと走りだす 私は最期まで...

手にした全てが奪われる 最後は誰にも訪れる
人生(いのち)が何れほど無意味でも
私は最期まで戦った
嗚呼... 私は最期まで屈しない...



Credits
Writer(s): Revo
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